「月」のカードのタロット占いにおける意味

「月」のカードは、恋愛について占っているときによく出てくるカードです。
それはこのカードが心のゆらぎや不安を象徴するカードだからです。
恋愛における「月」のカードの意味を正確に解釈するために、まずは、「月」のカードの、本来の意味を見ていきましょう。

「月」のカードには、顔のある月、犬と狼、塔のような建物、池、ザリガニが描かれています。
月に描かれた顔は女性であり、不安げな表情をしています。また、三日月ですからほとんど影になっている状態です。月は西洋占星術においては、精神性や女性的な存在の象徴です。女性的なイメージの、不安に揺れ動く繊細な心と解釈すると良いでしょう。
月は内面世界の象徴ですし、ここに描かれている月は現実の三日月にはありえない方向を向いています。
つまり、この絵柄の世界は現実世界ではなく、心象風景ということになります。

月からは、月の雫が舞い落ちています。この雫は、「塔」のカードで舞っているものと同じものです。この雫の形は、ヘブライ文字の「ヨッド」であり、「神聖」「神秘的」などの意味を示します。
ライダーウェイトタロットの作者は、月の絵柄について、「知性の光は投影的なものであり、未知のものに対する謎を解き明かすものである」と言っています。
月を照らしているのは月自身の光ではありません。反射光によって月は光っています。(このカードが成立した頃には、その事実は人々に知られています。)それと同じように、未知の見えないものは知性の光をもって見ることができると言っているのです。

奥に見える塔のような建物は、「神の世界」への門を表します。左右対称に描かれたものはバランスを示しますので、神の世界に至るには精神のバランスが必要になります。左右の犬と狼はどちらも神との繋がりを持たない自然な精神性を示しますが、左の犬は知性を伴う精神を示し、右の狼は動物的本能を表します。両者の間は小道で隔てられていて、またバラバラのポーズをしていることから精神のバランスが崩れていることが分かります。進みたいけれど怖気づいている、そんな葛藤もあります。希望と幸福に満ちた神の世界に至りたいのに、不安と恐怖でいっぱいなのです。

手前の池は私達の無意識を表します。その池からザリガニ(本来地上の世界の住人ではない得体の知れないもの)が意識的な領域に這い出てきて、私達の不安や恐怖心を呼び起こします。けれどもまだすべて姿を見せてはいません。必ずしも恐怖心が表出するわけではないのです。

こうした絵柄から、このカードが全体的に「不安」や「恐怖」を示していることが分かります。
それもはっきりと見えるものに対してではない、漠然とした不安感を示すカードなのです。

「月」のカードの恋愛における意味

そんな「月」のカードは、恋愛においてもやはり「不安」や「恐怖」、「葛藤」や「混乱」を示します。
また、はっきりと見えないということから、「不透明さ」「疑い」「嘘」なども表しています。

恋愛を占っていて「現状」や「未来」「相手(自分)の気持ち」を示す位置に正位置で出たときには、現在か未来、恋愛関係において不安な思いにかられたり、混乱に陥るかもしれません。
「環境」を示す場所の場合、これに加えて「嘘をついている(つかれている)」という状況が発生している可能性があります。
逆に、逆位置で出たときにはそれらの不安や恐怖、疑いは晴れます。たとえ実際に嘘をつかれていたとしても、その嘘が明るみになり、闇雲に不安を感じる段階を過ぎて新しいステージに進むことができるでしょう。