タロット占いの「世界」のカードの意味について

タロット大アルカナの最後のカードである「世界」のカード。
タロットカードの中でも、このカードは特に重要度の高いカードになっています。
様々なタロット占いに関する本やサイトで、このカードは非常に幸運なカードとして紹介されています。すべてのものが完成され、完璧なものとなることを示すカードだからでしょう。
恐らくこのカードは、大アルカナ中最も引いた人に安心感を与えるカードではないでしょうか。
人によっては、「世界」のカードは逆位置になったとしても悪い面がないとすら言う人もいます。
しかし、実際にはこのカードは正位置でもマイナスの意味を含むことがあるのです。
それでは、「世界」のカードの意味について見ていきましょう。

「世界」のカードの絵柄の意味

「世界」のカードの絵柄には、様々なモチーフが描かれています。
中央の裸の女性は、笑顔を浮かべてバトンを持っています。彼女の周りにはリボンがついた円があり、四隅には「運命の輪」と同じく、四大エレメントを示す四種の動物(人間=風、ライオン=火、鷲=水、牛=土)が描かれています。
彼女が持っているのは、「魔術士」が持っているのと同じバトンです。これは天の力を用いるための魔法の杖です。
彼女の周囲の円は栄光を示す月桂樹の葉でできており、「魔術師」のカードにも描かれているウロボロスの蛇を表していると考えられます。この蛇は始まりと終わりの同一性やものごとの永続性を示すものです。それに更に二つの∞の形のリボンが巻かれていて、これもまた永遠を表すインフィニティのマークです。
始まりの数である「1」のカードである魔術師と、最終カードである「世界」のカードのモチーフは繋がっています。そのことこそが永続性を象徴しています。よってこのカードは永遠の循環の完成を示します。ウェイト版の作者によるアーサーウェイトによれば、「完成と約束された成功」を示すカードであると言われています。

「世界」のタロット占いにおける意味

具体的には、このカードは正位置で「完成、完全、統合、達成、成就、最高、成功、永遠」などを示し、逆位置で「未完成、不完全、衰退、低迷」などを示します。
一見、正位置で出ればあらゆる成功が約束されそうなカードではありますが、しかし必ずしもそういうわけではありません。
例えば、お付き合いしたい相手との今後の関係を占ってこのカードが出たとします。
このカードはものごとの完成を示すものですから、「結婚」や「ゴールイン」「カップル成立」なども示しますが、同時に既に関係性が完成していることを表すことがあります。
ですからこのカードが出たからと言って、必ず恋人同士になれる訳ではないのです。
または、恋人同士になれても、友達同士だった頃と全く実際の関係性が変わらない可能性もはらんでいます。
就職活動をしていて結果連絡がなかなか来ないので占ってみたところ世界の正位置が出て、安心していたら実はとっくに落ちてしまっていた後だった(既に関係がそこで変わりようのないものとして完成されていた)ということもあり得ます。
ですからこのカードが出たからと言って無条件に舞い上がらずに、必ず補助的なカードを引くようにしましょう。
逆に補助のカードに恋愛であれば愛情や積極性、就職であれば財産の獲得を示すカードが出た場合は、「世界」のカードほど心強いカードは他にありません。

「女帝」はタロット占いでも恋愛に特化したカード

「女帝」はタロット占いにおいて、恋愛を見る上でとても重要なカードです。
大アルカナにおいては、「恋人」と並ぶ、恋愛に特化したカードと言えます。

それでは、なぜ女帝のカードは恋愛について大きな意味を持つのか。また恋愛について占ったときに女帝のカードが出た場合、どのような意味になるのかについて見ていきましょう。

「女帝」のカードに込められた恋愛的モチーフ

「女帝」のカードには様々な恋愛的なモチーフが描かれています。
その主なものについて見ていきましょう。

<女性の衣服>
「女帝」に描かれた女性は、おなか周りのゆったりとした衣服に身を包んでいます。また、その衣服にはザクロの柄が描かれています。
ザクロは多産の象徴であり、これは彼女が妊娠していることを示します。
男女の愛の象徴が描かれているのです。

<盾の形とそこに描かれた金星のマーク>
女性の足下にある盾は、愛を表すハート型です。
ハートは心臓を図形化したものであるとともに、タロットにおける聖杯(カップ)の簡略的な表現でもあります。
カップは感情や愛情を表すカードです。伝統的にハート型が愛を表すものとされてきたのはこのためです。
また、そのハート型の盾には、愛と美の女神、ヴィーナスの星である金星のマークが描かれています。
金星は恋愛においてとても重要な星であり、占星術では金星抜きに恋愛を語るなどありえないくらいです。
このようなハートや金星のマークが描かれていることからも、女帝のカードが恋愛に重きを置いたカードであることが分かります。

<背景に描かれた川>
彼女の背後からは、川の水が流れ込んできています。
さきほどカップのカードがハートマークの元であると書きましたが、水はカップ(ハート)を満たすものであり、タロットにおいては愛情の象徴です。
その水が穏やかに流れてきていることから、ここに描かれた女性が愛されていることが見て取れます。

<描かれた女性自身の立場>
こういった数々の恋愛的なモチーフから、「女帝」のカードに描かれた女性自身が、愛と美の女神ヴィーナスや、そのモデルとなった金星の女神イシュタルなのではないかと言われています。
愛の女神をモチーフにしているのですから、「女帝」が恋愛に特化したカードであると言われることにも納得がいくのではないかと思います。

「女帝」のカードの恋愛における意味

それでは、そんな女帝のカードがタロット占いで出た場合、どのような意味になるでしょうか。特に恋愛について見ていきましょう。

<相手の気持ちで出た場合>
正位置で出た場合は、あなたに対して穏やかな愛情を感じています。結婚したいと思っているかもしれません。安心して、素直な気持ちで相手の愛情を受け取ってください。
逆位置で出た場合は、あなたの愛情にあぐらをかいて我儘になっているか、逆にあなたがそのような人であると感じているかもしれません。不毛な関係と思っている可能性もあります。

<対策で出た場合>
正位置で出た場合、素直に愛を示しましょう、また相手の愛に傲慢になることなく愛し愛される関係を目指しましょうとカードは告げています。結婚の話が出ているようであれば、積極的に考えて吉です。
逆位置で出た場合は、相手に対して我儘になっていないか、また実りのない関係ではないか見直しが求められます。望まない妊娠にも気を付けましょう。