タロット占いでワンド6のカードが示すことは?
ワンドのスートの六番目、「ワンド6」について見てみましょう。
「ワンド6」は勝利や凱旋を示すカードです。
中央には勝利や栄光を示す月桂樹の冠を頭に被った人物が、先端にやはり月桂樹の冠をあしらった棒を持って、馬にまたがっている様子が描かれています。
周囲には共に歩む兵士たちがいます。けれども馬にはたてがみがなく、馬を覆った布も不自然に大きくなっています。
もしかしたら、偽物の馬なのかもしれません。けれども、この段階ではこの馬が偽物なのかどうかは分かりません。
タロットカードにおいては、顔の方向は重要な要素です。勝利者であるはずの彼は横を向いています。横を向いているということは、向こう側が見えないということです。横顔を中心とした構図としては、大アルカナの「月」やソードの7がありますが、どちらも疑わしさや猜疑を含んでいるカードです。単に横顔であるならまだしも、このワンド6のカードの人物はほとんど向こうを向いていて表情が読みとれません。もしも彼の視線の先に背景があれば、ワンドの2やワンドの3のように遠い未来や希望を見ている解釈ができますが、この人物はただ虚空に向けて目をそらしているだけです。輝かしい凱旋にも関わらず、隠していることがありそうな雰囲気なのです。馬の目線だけがこちらを窺っている様子であるのも、どことなく裏切りの可能性を感じさせます。
ワンド6の正位置、逆位置の意味
ライダーウエイトタロットを作ったウエイト氏は、このカードの正位置の意味についてこう説明しています。
「表面的には成功している」
「その成功は、王の急使が運んできたすばらしい知らせによってもたらされること(自身の要望している地位や、希望している冠位)かもしれない」
つまりこのカードが示す栄光は、誰かからもたらされるものということになります。棚からぼた餅のように、実力に見合わない評価をされる可能性もあります。しかし、長くは続かないでしょう。
このカードの正位置の意味は、「成功や勝利、ライバルに勝つ、栄光」などの意味になります。しかしあくまで一時的な成功ですので、油断は禁物です。調子に乗っていると、せっかく得た勝利や地位を取り消されてしまったり、ライバルに逆転されてしまうかもしれません。就職などで一次面接を通過しそうかどうかを占ったり、告白が成功するかどうかを占ったりしたときに出る場合には良いカードです。その後のことは、また後から努力すればいいのです。
逆位置の意味については、ウエイト氏はこのように言っています。
「門を打ち破った敵に対するような心配や恐れ」
「敵に開かれている門のような裏切りや不忠義」
「漠然とした遅延」
逆位置では、正位置でどことなく感じられた不安が現実のものとなってしまいます。
敵やライバルに敗北しそうな予感がします。勝利者または勝利者になるはずだった主人公は落馬し、馬ははりぼてであったことが明るみになってしまいます。馬の中にいた人物は裏切り者だったかもしれません。人を裏切ったり裏切られたり、不誠実な態度に直面します。恋愛について占ったときには、浮気を表す可能性もあります。他に浮気相手を示す人物カードや恋人の逆位置、カップの3の逆位置などが出ていないかに注意しましょう。
いずれにせよ、質問の対象となる人物は敗北します。敗北しない場合は、単純に勝利が遅れることになります。