大事なものを失って、悲嘆にくれている若者が描かれています。五つのカップのうち、三つは倒れて、中のものが全部、こぼれ出てしまいました。ただ、残りの二つは倒れることなく、中身も無事に残っています。若者は失ったもののことで頭がいっぱいで、残っているものに注意を向ける余裕がありません。大切なものを失ったかもしれませんが、全てを失ったわけではないのです。
正位置
自分にとって大切なものを失い、喪失感に襲われます。全てを失ったかのような気持ちになり、立ち直ることができません。
・恋愛において
失恋のカードです。片思いの人は、気持ちを打ち明けて、振られてしまいます。交際中の相手から突然、別れを告げられる気配です。うまく行っていると思い込んでいたので、そのショックは計り知れません。既婚者も配偶者から前触れもなく、離縁を申し込まれます。ただ、友達や家族など周りに味方になって、支えてくれる人がいます。
・仕事において
会社が倒産したり、事業に失敗したり、突然解雇されたりする恐れがあります。または、左遷されたり、信頼していた仕事仲間から裏切られるかもしれません。しばらくは何も手に付かない状態になるでしょう。ただ、失職した場合は、色々な人に相談すると、思いのほか早く、他の就職口が見つかる可能性があります。
・金運
詐欺にあって、お金をだまし取られる可能性があります。投資に失敗して、大金を損失することもあります。ただ、全財産を失うわけではありません。
逆位置
失意のどん底からの立ち直りを表します。しかも思ったより早く立ち直ることができた上に、物事が、自分にとって有利なかたちで展開していく暗示です。
・恋愛において
失恋直後に慰め、励ましてくれた異性と恋に落ちる可能性があります。それは寂しさを紛らわせるための感情ではなく、本物の恋であることに気付くでしょう。交際相手から急に別れを告げられたショックで、しばらくは誰とも付き合いたくない、と思っている時に、突然、前の相手よりもずっと自分に相応しいと思える異性が現れ、相思相愛になる可能性があります。別れても忘れることのできなかった相手と、ひょんなことから再開し、復縁できるかもしれません。
・仕事において
失業して落胆していたのも束の間、ほどなく、新しい就職先が決まり、以前よりも労働環境がよく、やりがいのある仕事に就ける可能性があります。独立して事業を始めた場合は、それが予想以上に成功し、収入も以前より多くなるかもしれません。
・金運
大金を失った後に、それを補ってあまりある、まとまったお金が入る幸運に恵まれます。離婚した人は、財産分与が有利に進み、経済的に困ることはありません。
まとめ
人は何か大切なものを失った時には、その喪失感から、全てを失い、何もかも終わった、と感じてしまうことがあります。その時には自分にまだ残っているものがあることに気が付きません。残っているものの中に、もっと大切なものが隠れている可能性だってあるのです。また、その大きな喪失が実は、人生のステージを一つ上の段階に上がるための必然だったことに後から気が付くこともあるかもしれません。何かの終わりは、何かの始まりなのです。